大川栄策全曲集 浪花ことぶき

大川栄策 大川栄策全曲集 浪花ことぶき歌詞
1.浪花ことぶき

作詞:もず唱平
作曲:大谷明裕

所帯を持ったその年に
連れ合い亡くし 早や二(ふ)タ昔
明日娘が嫁ぎます
見せてあげたい 見せてあげたい
ねぇあなた
浪花ことぶき ひとりで祝う

河内の生まれ 新郎は
阿呆ほど純で 飾り気無しで
どこを押しても 二重丸
婿に逢ってよ 婿に逢ってよ
ねぇあなた
浪花ことぶき 涙で祝う

歯をくいしばり 児(こ)を育て
新地の小店 繁昌させた
後家の頑張り 威張れます
褒めてください 褒めてください
ねぇあなた
浪花ことぶき ひとりで祝う


2.高山の女


3.駅

作詞:たかたかし
作曲:市川昭介

つれて行けない 別れのつらさ
駅灯(あかり)に背を向け ひとり泣く女
赤いコートに 降る雪の
雪の白さが目にしみる プラットホーム
汽車がくる
汽車がくる 雪国の駅

出来るものなら 切符を捨てて
この手で涙を 拭いてやりたいよ
君と一緒に いるだけで
おれは優しくなれたのに いつまた逢える
さよならの
さよならの 雪国の駅

伝えきれない 想いをのこし
汽笛がひと声 空に凍りつく
青いシグナル 舞う雪に
君の姿が消えてゆく 夜汽車の窓よ
遠くなる
遠くなる 雪国の駅


4.稲妻

作詞:たかたかし
作曲:杉本眞人

雨が来そうと 窓にもたれて
つぶやく女の 背中の薄さ
夢をおまえに 話せても
何もやれずに 泣かせてばかり
ごめんごめんね 苦労をかけるね

どこで暮らそうと あなたがいれば
わたしはいいのと 体をよせる
好きで一緒に なったのに
花も飾れず つらいだろうね
ばかな男を 許しておくれよ

夜の障子に 光る稲妻
怯えた目をして おまえがすがる
外はどしゃ降り 白い闇
抱いてみたって 淋しいけれど
明日を信じて 信じていようね


5.風港

作詞:松井由利夫
作曲:伊藤雪彦

とぎれとぎれに 汽笛が咽ぶ
夜風 潮風 別れ風
濃い目の化粧で 隠しても
潤んで見える おまえの睫毛
今夜ばかりは… 今夜ばかりは
酔うに酔えない わかれ酒

口に出したら 言葉にしたら
ほろり本音が こぼれそう
浮草 水藻の かくれ花
倖せなんて ぬくもりなんて
これでいいのさ… これでいいのさ
そっと吹き消す 夢灯り

港 路地裏 ここから先は
恋も涙も 行き止まり
冷たく背中を 向けたけど
背中で詫びて 心で泣いて
今度逢えたら… 今度逢えたら
ましな男で また逢おう


6.夢一天

作詞:松井由利夫
作曲:水森英夫

涙ひとつぶ ふところに
花を横目に 廻り道
義理もすたれた 人情も枯れた
春は盛りと 言うものを
今のご時世 寒すぎる

酒は一気に 干せるのに
恋の盃 なぜ干せぬ
意地は挺子でも 曲げない俺が
渡すつもりの ひと言を
抱いて思案の 戻り橋

時の流れに 棹させば
針のつぶてが はね返る
それが世間さ 世間の裏で
明日の灯りを この胸に
生きる男の 夢ひとつ


7.あなたに生きる

作詞:白鳥園枝
作曲:市川昭介

命までもと あなたにほれて
燃えた私が 馬鹿でした
どんなときにも 待つ身になれる
女になるわ
逢いたい 逢いたい 今すぐに
逢いに行きたい

生きるささえは 私にとって
あなただけなの 信じてる
なんでこうまで ほれたのかしら
眠れはしない
逢いたい 逢いたい 今すぐに
逢いに行きたい

女ですもの あなたのそばで
朝を迎えて 暮らしたい
死んで行くまで あなたと生きる
女になるわ
逢いたい 逢いたい 今すぐに
逢いに行きたい


8.そばにいてね


9.雨の永東橋

作詞:たかたかし
作曲:南国人

雨の永東橋は思い出ばかり
傘をさしだす人もない
心がわりはつらいけど
忘れられない 女がひとり
あなたの靴音 追いかける
未練 未練 未練…雨がふる

雨の永東橋は 噂もぬれる
酒のグラスに残り紅
泣いたあの日の傷あとが
酔えばせつなくわかれを責める
あなたを信じてつくしたわ
未練 未練 未練…雨がふる

雨の永東橋に 流れる灯り
恋も流れて消えてゆく
つかみきれない しあわせに
肩でため息 女がひとり
あなたに逢いたい すがりたい
未練 未練 未練…雨がふる


10.昭和浪漫~第二章~


11.路傍の花

作詞:なかにし礼
作曲:猪俣公章

酒場ぐらしの 路傍の花に
幸せ運ぶ 季節はないの
あなたがくれた 婚約指輪
今じゃ光も 色あせたけど
何故かはずせぬ 薬指

つくり笑顔の 路傍の花が
売るのは嘘と 一夜の夢よ
真心だけは 売らぬつもりが
恋にすがって けずられちゃった
涙ひとつぶ カウンター

ほこりまみれの 路傍の花は
心のしみを 涙でおとす
今夜で一つ また年をとる
誰も祝って くれないけれど
やけに酔いたい 誕生日


12.さざんかの宿

作詞:吉岡治
作曲:市川昭介

くもりガラスを 手で拭いて
あなた明日が 見えますか
愛しても愛しても あゝ他人(ひと)の妻
赤く咲いても 冬の花
咲いてさびしい さざんかの宿

ぬいた指輪の 罪のあと
かんでください 思いきり
燃えたって燃えたって あゝ他人の妻
運命かなしい 冬の花
明日はいらない さざんかの宿

せめて朝まで 腕の中
夢を見させて くれますか
つくしてもつくしても あゝ他人の妻
ふたり咲いても 冬の花
春はいつくる さざんかの宿


13.再会橋


14.夢の露

作詞:荒木とよひさ
作曲:聖川湧

この手につかめぬ 幸福ならば
虹のかからぬ あすなし人よ
あなたに抱かれる この時だけが
紅い椿の 花になる
涙 ひとひら 夢の露

心の青空 心の窓に
ひとりうかべる あすなし雲よ
あなたと百年 生きたいけれど
生まれ変われはしないから
時は ひとひら 夢の露

悲しい人なら 悲しい人で
今日が一生 あすなし草よ
あなたの心の 心の妻で
せめてこの世で どこまでも
あなた ひとひら 夢の露


15.港雨

作詞:たかたかし
作曲:弦哲也

下駄で小走り 手を振る女
やがて港に 船が着く
霧雨 桟橋 涙をこらえ
俺にさしだす 女傘
…逢いたかったよ
かわす目と目に 港雨

一度わかれた 男と女
離れきれずに 舫(もや)い船
海猫 灯台 たたずむ二人
痩せたみたいだ 昔より
…苦労かけたな
言えば泣き出す 港雨

怨みつらみも あるはずなのに
何もいわずに 酒支度
漁り火 やすらぎ 旅路の終わり
二度とおまえを 離さない
…逢いたかったよ
抱けば遣らずの 港雨


16.綾の手つむぎ、恋つむぎ